まず何より子供たちのために、ボランティアでこのような野球障害検診の機会を与えていただき、
広大医学部の安達伸生代表、今田英明理事 をはじめ、全てのスタッフ、関係者に感謝、感謝です。
ありがとうございます!!
ナショナルチームで行われている検診と比較しても遜色なく、大変驚きました。
(可動域のチェック項目はこちらの方が多いくらいでした。)
最初の説明にもありましたが、肘だと11~12歳で障害が見つかることがあります。
本当に早い子は9歳で見つかったという事例もあります。。。
推奨は小学校高学年からとなっていますが、投手、捕手経験者に限っては、小学3年生からは
検診を受けたほうが良いと思います。
内容は、 整形外科医による診察、肘のエコー検査、理学/作業療法士 による 柔軟性・ 筋力評価 、
そしてストレッチング指導で1時間ちょっとで終了。
ほとんどが肘の内側、外側のチェックでした。
肘の内側は投球時に痛みが出るので、比較的解りやすく、見つかりやすいですが、
外側はなかなか痛みが出ない為、痛いと思った時には 障害が進行している場合がほとんど。
ですから外側に問題が無いかを念入りに確認していたのが印象的でした。
少年野球において難しい部分が、投げ方が良ければ壊さないかというと、一概にそうではないと言うこと。
侍ジャパンU12のトライアウトに選ばれた選手の、67%の選手に内側、20%の選手に外側の障害が見つかっています。
投げ方が良ければ、壊すリスクが低くなることに間違いありませんが、
逆に、良い投げ方で速い球を投げれるポテンシャルがある子の方が、投手や捕手をやる機会が多く、
圧倒的に障害が出やすい傾向にあります。
それは、同年齢の体で、速いボール=大きな負荷を肘にかけるわけですから当然の事。
逆に投手/捕手経験が無いのに、障害が出た場合は投げ方に大きな問題がある場合がほとんどです。
いずれにしても、体に無理のある投げ方を繰り返すと故障のリスクは上がります。
具体的には、トップからスローイングまで手のひらが前を向いていたり、
トップで肩のラインより肘が下がっていたら今のうちに直しておいた方が良いです。
とはいえ、このような検診や、リトルリーグでは各年代による球数制限、連投が禁止されていたりと、
ひと昔前と比べると、過保護だと感じるくらいの改善がなされています。
1人のエースだけでは勝ちあがれないルールになっており、1チーム最低4人の投手力が必要。
計算できる投手は本当に大事な試合の登板のみで、練習試合では投げないことも多々。
強豪チームともなると、準決、決勝まで投げなかったりもします。
肘/肩の障害については近年様々な議論がなされていますが、監督さんが中心となって、
このような検診に積極的に参加していることからも、子供を保護する環境が整っていると思います。
暖かくなって、野球のシーズンも到来です。
もし、チーム選びに迷っておられる方がおられましたら、ぜひ一度チームを見に来てください。
選手、指導者、保護者含め一同、心よりお待ちしています。
P.S. ケガと障害について
明らかな外力によって損傷することをケガと言います。(例:捻挫、打撲、骨折、肉離れ、靭帯損傷)
繰り返し過度の負担が積み重なり、慢性的に痛みが続くものを障害と言います。
障害は軽いものではプレー中や後の痛みで済みますが、重症化すると私生活に影響が出ます。
無理を続けてしまうと長期間スポーツができなくなったり、パフォーマンスが発揮できなくなります。
障害の原因は無理なオーバーユース(使い過ぎ)がほとんど。
これはどんなスポーツでもそうですが、未然にケガや障害を防ぐ努力をしていても障害は発生します。
(最もこのことに神経を使い、専属のドクター、トレーナーのいるプロですら障害は発生しています。)
大切なことは、早期発見と適切な処置。
ですから、安芸リトルではこのような機会を大事にするようにしています。